なんと一週間が過ぎるのは早いことか!もう新緑の5月が終わってしまう。そして花咲く娘たちの季節6月か・・・そう、流れていく流れていく歳月のように(プルースト)なのだ。
先週の金土日から私はようやく書く人になった。重たい腰を上げて修士論文に着手し始めたのです。これまで書いた反故をかき集め、なんとか体裁だけでも整えてフランスに逃避するために。書けるのか?いやいや無理やり自分に書かせるのです。かのバルザックは白紙を目の前に置いて「とにかくなんでもいいから書くように己を仕向けた」のだとか。そうするとみるみるうちに白い紙片はいつの間にか黒く塗りつぶされて、いくら紙があっても足りない状態になってしまった。マラルメは紙を前にして不安と孤独を抱き続け苦吟した。ヴァレリーともなるとその美しき?悩める姿をわざわざ写真におさめさせた。何故人は読むのか、何故書くのか、何故踊るのか、何故歌うのか、何故年下が好きになり年上が好きになり、同い年にはロクな女(男)がいないのか、何故今日もパスタ、何故この服しかないのか、などと人は皆考えながら論文執筆に精を出すのですね・・・。

フランスで国民投票あり。大方の予想ではNONが圧倒的に優勢なのだとか。この選挙の重要性について小生が知るところは少ない。
 第二次大戦におけるパリ解放の立役者ド・ゴール将軍は1958年「自由、博愛、平等」で名高い「人権宣言」を盛り込む自ら起草した新憲法案を国民投票にかける。そして80%の支持を受けて可決。この第5共和国憲法は20世紀の間に15度も改正を重ねる。(中国人がより入国しやすくなった法案をいつのまにか可決した日本は何故か容易に憲法に手を入れられない。自衛隊は間違いなく軍隊です!なんか文句ありますか。国が軍隊持つのは外出するときに鍵をかけるようにごくごく当然の行為です。個人的には海軍が一番好きです。お船からたくさんミサイルがピューって飛んでいくとこが特に。制服もカッコいいしね。)

さて、その共和国憲法の第3条によれば、「フランスの国民で民事および政治上の権利を享有する青年の男女はすべて、法律の定めるところに従い、選挙人である」とした。つまり規定に拠れば選挙人であるためにはフランス国籍保有していなければならず、これが欧州統合のさいして地方議会及び欧州議会議員選出について欧州連合市民に居住国での選挙権・被選挙権を認めるマーストリヒト条約(1992年オランダ、マーストリヒトで調印。その後2001年には南仏ニースでニース条約調印するなど欧州連合条約は改定中)の条文と矛盾をきたしたのである。
デンマークは2度目の国民投票で批准。スペインも最近7割の支持を得て批准した。
果たして、フランス国民が本国の憲法との矛盾に強い疑問を感じたのか、それ以上に、実生活で何か直接利害が生じる恐れがあるからNONが優勢なのか、その点について大阪フランス領事館で投票をすると言っていた女性のフランス人教師に聞いてみようと思う。