昼夜が逆転して1月が経つ。昼は軟体動物の状態でペンを持つのすら重い。書籍はバーベルに等しい。そんな腐りきった生活のなか久しぶりに快著を手にする。

ピアニストが見たピアニスト

ピアニストが見たピアニスト

6人の高名なピアニストの知られざる一面に焦点を当てたエッセイ。とりわけミケランジェリアルゲリッチが面白い。感想は後日元気な折にでも。

正直忙しいです。論文を書きながら、渡航準備もしながら、雑誌編集をするのは。
息抜きにと、2日前、久しぶりにレンタルヴィデオ店に入ったのがいけなかった。名画野郎から「貴様にはこんなのがお勧めだぜ」と紹介された『24』という全12巻のTVドラマを思い出し、1巻だけ借りてみた。1時間後、僕は再び同じ店のレジに並んでいた。いや、実は、もう一度・・・。閉店間際の深夜1時、再度僕は返却と貸出をしに自転車をこいでいた。28日の20時に全12巻(シーズン1)を観終わった。それぐらいこのシリーズはおもしろいと思った。・・・その代わりクタクタです。長い長い24時間でした。世間ではずいぶん前に多くの人が同じ症状に陥ったそうですね。
内容はさておき、こんなに熱中したのは捜査官ニナ・マイヤーズ(サラ・クラーク)の魅力によるところが大きい。すばらしい二の腕だ!
シーズン2・3がすでに店頭に並んでいたが、何とか自制した。このまま借り続けたら完全に果ててしまうので。

久しぶり皆の衆。どう考えてもcanicule(猛暑)だってこの暑さは!はっきり言って夏は嫌いだ。カミュは夏を賛歌しているようだが何がいいのか小生にはわからぬ。授業が終わり、夏休みが訪れるやいなやすぐに生活リズムが乱れる。昼に起き、明け方に寝付く。それは学生の特権いや、常識であるかのように近隣の学生らもずいぶんと遅くまで部屋の明かりがついている。こんな生活が快適なのでは決してない。昼から夕方にかけては廃人に近い。意識は朦朧として、軟体動物のように床に伸びたまま動く気がしない。夏は受験の天王山・・・そんな殊勝な気構えは一体何年前に捨て去ってしまったのだろうか。活字を眼にすると吐き気さえ覚える。PCの待ち受け画面のヴェニスをワードに切り替えるのがなんとつらいことか。怠惰の一言に尽きる。それでもようやくふたたび論文に取り掛かる。(ここ一月の雑務が忌々しい。)

帰省中、旅行かばんを買い、スーツを買った。そのかばん、見た目に反してあんまり多くのものは入らないのね。服だけで一杯一杯。後でダンボールで郵送かな。
1年留学というが、昨日届いた航空券手配のメール見たら、5月6日に帰国になってるやんか!まあそれは早すぎだとしても、7月には帰国するでしょうな。フレンチオープンでマリア・シャラポワを観るまでは頑張ろう。

一日中雨。ま、たまにはいいか。今週間の天気予報によると毎日雨。こうなると雨季やね。
昨日、『デスノート』(第7巻)を読む。次はアイツが死ぬかもな。なんか掟が作者の都合よく増えている感がある・・・そしてこの字の多さ。マンガといえど読書に近い(『GTO』も多かったが)
 ここ最近読んだ作品は『沈黙の艦隊』(3巻まで)、『はるか17』(言いいたかないが、最新刊まで読破。ドラマはイマイチ。しっかり見たけど。)『ドラゴン桜』(東大は簡単だ!なかなか頷ける精神論が多い、しかしながら、やはり・・・。僕らが受験生の頃は、中学の頃尾崎が流行るように、『受験は要領』(和田秀樹)を誰しも手にしたものです。彼も言ってたよ、東大は簡単だ、1年あれば受かると。ただ、受験は(記憶力の)容量に左右され、こいつがデカイのだということを受験後悟りました。そして予備校の1年間はあせりにあせるのでした。)

そんな息抜きはさておき、火曜日は教官の都合で私が授業をすることになった。こんなに必死に予習をしたのは久しぶり。しかしひじょーに不安。
「メシ頼む」(『電車男』)ではないが、「なんかいいネタ(フランス語の授業でさりげなくふれる新鮮、かつ、知的な、そして10分から15分時間を稼ぐことが出来る話題)頼む」(結構マジ)
あ、美学的なのは勘弁して下さい(´ー`)

近況報告
27日 午後、パスポートを受け取り、ヴィザ申請のためそのまま新幹線に乗り一路東京へ。富士山を見損ねる。品川プリンスホテル本館にチェックイン。蛸壺かここは、と思うほど狭いく薄暗い。京都グランヴィアは最高に広くて眺めの良いい快適な部屋だったのに。18時新橋で高校・予備校時代の友人に会う。また一回り肥大していた。彼はかつて、戦艦大和を建造し、最近談合で紙面を騒がせた愛H愛に勤務している。仕事の規模がでかすぎてよう分からん。銀座を散策。ヤマハやマック、ヴィトン、エルメスモンブランの専門店が立ち並ぶきらびやかな街。お互い気心が知れ、あっちの思想の持ち主なので満州の話題で大いに盛り上がる。向かった先は韓国風焼肉店。カルビ8人前、ライス大2杯を平らげる。うまい!その後、デザートを食べにオス二人で「不二家」本店へ。予想通り女性客ばかり。しかし怖気づくことなく、ティラミスパフェを注文。甘い!23時ごろ品川で別れ、ホテルに戻り、ヴィザ申請書に必要事項を記入。09:30起床。南麻布のフランス大使館の業務は11:30まで。奴とともに大急ぎで向かう。着けば長蛇の列。こんなにフランスに長期滞在したい人がいるなんて思いませんでしたよ。2時間待ち。無事申請終了。その後、テスト氏に必ず言って来いと言われた上野の「ポン多」というとんかつ専門店へ。なんとか発見し、ロースかつ膳を注文。口に入れた瞬間溶けた。うまい!意気揚々と九段下を歩いていたら、たまたま巨大な神社を見つけたのでお参りする。無論私的な参拝である。それにしてもでかい、日本はかつて帝國だったのですね。次は浅草へ。神社の次はお寺かよ。この日の東京の気温は35.6度。暑さをしのぎ、夕食まで時間を潰すため喫茶店へ。18時、銀座のすし屋へ入る。今度は大トロが口の中で溶けた。控えめなお値段で切り上げお会計。伝票を分けたせいで混乱したのか、レジのミスで僕はタダ。ちっ、もっと注文しとけばよかった。21時の新幹線で帰阪。喫煙所でお笑い芸人のケンドー・コバヤシがサイン求められてた。おれはいらん。

それから今日まではまた雑務に追われてる。

何日ぶりでしょうか、不本意な雑多に追われることなくゆっくりと己の学究にいそしむことが出来たのは。午前中、こっちの大学で、昨日途中で切り上げた『U-571』観る。マシュー・マコノヒー主演の潜水艦ものですよ。潜水艦ものにハズレはないと言われるけれど、これはイマイチではないでしょうか。第一マシューが角刈りではありませんか。アメリカが最後には必ず勝つシナリオは何度見ても釈然としませんし。
鑑賞後は再読中のミシェル・トゥルニエのエッセイ集『イデーの鏡』Le miroir des idees を手にする。何度読んでもこの作品はいいですね。端正なフランス語のお手本です。こんな風に書けたらいいですね。学者先生の論文ばかりでは疲れません・・・か?3篇ほど読んで17時に帰宅。床でゴロゴロ。腹が減り、坂の下まで降りる。行きつけの店に入ろうと思ったら、しばらく行っていないマンガ喫茶が目に入る。30分だけ、と言い聞かせたにも関わらず、2時間過ごす(おまけに640円消費)。手に取った作品は『沈黙の艦隊』(かわぐちかいじ)トラトラトラ、ハマった。明日、散髪のついでに続きを読むため30分寄るつもり。
21時から0時まで、先日、コピーしたカミュ研究に関する論文を読む。僕だってたまには読みますよ論文ぐらい。これが幸いなことに(2,3文法的に不明な点があるものの)平易な文体で面白いのです。程よく疲れたため、今日はドリエルなしで寝られそう。
明日も今日以上に晴れますように。

ここんとこ、めちゃいそがしいすよっ(;´Д`)雑誌の編集は追い込みにかかり(とは言うものの8月、9月まで引きずるでしょうな。知らん。帰省してやるから。十二分に働いたし。)明日も居残りで翻訳作業。
今日は午前中、本を借りた先生と会い、歓談。(どうも色々とありがとうございました。)昼過ぎパスポートを申請しに国際会館14階へ出向く。証明写真忘れる。13階でパチリ。はねた後ろ髪がバリしぶい。5年前の写真は見るたびに嘔吐しそうになる。こいつとは友達になれない顔(会津さん談)。
20人待ち、その大半が大学生のようでした。受付で「住基ネットを使用しても構いませんか?」と問われ「ぜ、是非」と快諾。住民票とか持ってこなくてもいいんですね、めちゃ便利ですね。こうして、サヨクどもが大反対したこのシステムの恩恵を初めて受けた。巷で個人情報がいつのまにか流出している昨今、国が国民の個人情報を把握していて何が悪い。その後、指紋と歯型、念のため血液を採取される。海外で死亡した場合でも子孫が残せるように精子バンクの登録も同時に済ませる。いや〜国に手厚く保護されてるなぁ〜ぼくって知的財産なのかしら・・?
別館の10階で映画を観る。その前に友人に電話をし、何がお勧めか照会。彼は『ミリオンダラー・ベイビィー』を熱く押す。『クローサー』も捨てがたいとのこと。「了解」と電話を切った後、『サハラ』という全米ナンバーワンの作品を選ぶ。ペネロペ・クルスマシュー・マコノヒーが砂漠で悪党をボコボコ倒しながら病気も治し、財宝がブオォ〜って出てくる話で、最後に、な、なんと二人が結ばれてしまうという幸福絶頂もの。あえて蛇足を付け加えるなら、マシューはぼくと同じ髪型をしていた。(うそだと思うならパスポートの写真見せてやるよ、来週には散髪するからよ)次この映画館に来るときは『亡国のイージス』を観るときと決めている。
帰宅途中、メールを確認。まさか、あなたがVAIOを買うなんて信じられません。
帰宅したら、『プーランク ピアノ曲全集』(パスカル・ロジェ)が届いてた。溶けそうな音色にしばし身をゆだねる。とりわけ「エディット・ピアフを讃えて」が美しい。